この記事の結論
- コクワガタは日本全国の公園や庭先でも見られるほど身近な存在で、はじめてのクワガタ飼育に向いている
- アカアシクワガタは名前の由来になった赤みのある脚が目印、コクワガタよりやや涼しい環境を好む
- 見た目は地味に見えても、コクワガタは成虫の寿命が2年以上になることもあり、実は長く付き合える品種
- どちらも温度管理やエサやりの基本は他の国産クワガタと共通していて、特別な準備をしなくても飼いやすい
クワガタと聞くと、大きな大顎を持つオオクワガタやヒラタクワガタを思い浮かべる方が多いかもしれません。
ですが実際に公園や庭先で見かける機会がいちばん多いのは、体は小さめでも身近な場所にたくさんいるコクワガタです。
この記事では、コクワガタとアカアシクワガタという2種類の身近なクワガタを取り上げ、見た目の特徴や生息環境、飼いやすさのポイントを紹介します。
カブトムシとクワガタ全体の違いについては、代表的な品種の特徴をまとめた記事もあわせてご覧ください。
コクワガタ・アカアシクワガタとはどんなクワガタか
いちばん身近なクワガタ、コクワガタ
コクワガタは北海道から九州まで日本全国に広く分布しており、国産クワガタの中でも特に個体数が多い品種です。
都市部の公園や街路樹、家庭の庭先でも見かけることがあるほど身近な存在です。
体長はオスでおよそ17〜54mmと幅があり、大きな個体はオオクワガタと見間違えられることもあります。
とはいえ実際に見かける個体の多くは中型サイズで、大顎の湾曲もゆるやかなシンプルな形をしています。
光沢のある黒褐色の体は、他の国産クワガタに比べると地味な印象を持たれがちです。
ですが手のひらに乗せてよく観察すると、しっかりとした大顎と丈夫そうな体つきに、素朴な魅力を感じる方も多い品種です。

名前の由来になった赤い脚、アカアシクワガタ
アカアシクワガタは北海道から九州まで分布していますが、本州以南ではコクワガタに比べて標高の高い雑木林や丘陵地に多く見られます(北海道では平地でも見られます)。
名前の通り、脚の付け根に近い部分(腿節)が赤みを帯びているのが最大の特徴です。
体長はオスでおよそ28〜56mmで、コクワガタよりもひとまわり大きくなる個体が多い傾向にあります。
大顎は先端に向かって内側にゆるやかに湾曲し、内歯が1つある点はコクワガタと似ています。
コクワガタほど頻繁には見かけない分、灯火に飛んできた個体や採集で出会えたときの嬉しさが大きい品種ともいえます。
体全体につやがあり、赤みを帯びた脚とのコントラストが美しく、じっくり観察すると意外と見応えがあります。

身近で採りやすい、生息環境と見つけ方の傾向
コクワガタは街の中でも見つかる、身近さナンバーワン
コクワガタは、クヌギやコナラといった雑木林の樹液だけでなく、住宅街の公園や街路樹でも見つかることがあります。
夜になると街灯や自動販売機の明かりに引き寄せられて飛んでくることもあり、都市部に暮らす方でも出会えるチャンスが多い品種です。
他の国産クワガタに比べて環境への適応力が高く、標高の低い場所から山地まで幅広い環境で生活しています。
そのため、オオクワガタやミヤマクワガタのように「決まった環境でないと出会えない」という制約が少ないことも、身近さにつながっています。

アカアシクワガタは少し標高のある雑木林で
アカアシクワガタは、コクワガタに比べるとやや標高の高い、涼しい雑木林を好む傾向があります。
樹液にも集まりますが、コクワガタ以上に灯火に飛来しやすい性質があるとされ、街灯の下で見つかる個体も少なくありません。

飼育のしやすさ、初心者や自由研究にちょうどいい理由
温度管理のハードルが低い
コクワガタもアカアシクワガタも、もともと日本の広い範囲に自然分布している品種です。
そのため、四季のある日本の気候に対する耐性がもともと高く、特別な温度管理をしなくても飼育できることが多いのが魅力です。
目安として、コクワガタは15〜28度程度の幅広い温度域で飼育できるとされています。
アカアシクワガタはコクワガタよりもやや涼しい環境を好むため、真夏に室温が上がりやすい部屋では、風通しのよい場所を選んであげると安心です。
オオクワガタやミヤマクワガタのように、高温に極端に弱いというデリケートさがない点が、この2種の大きな強みです。
初めてクワガタを飼う方や、夏休みの自由研究として短期間だけ育ててみたい方にとって、扱いやすい品種といえます。
コクワガタは実は寿命が長い
見た目の地味さから誤解されがちですが、コクワガタは成虫になってからの寿命が意外と長い品種です。
飼育環境が整っていれば、2〜3年ほど生きる個体も珍しくありません。
この寿命の長さは、同じ仲間に分類されるオオクワガタと近い水準です。
ノコギリクワガタやカブトムシのように数ヶ月〜1年ほどで一生を終える品種と比べると、じっくり長く付き合える点は見逃せない魅力です。
アカアシクワガタの寿命は成虫で1〜2年ほどが目安とされ、コクワガタほどではないものの、ノコギリクワガタよりは長く生きる傾向にあります。
複数飼育や置き場所で気をつけたいこと
コクワガタもアカアシクワガタも、大顎で相手を挟み合うケンカをすることがあります。
複数のオスを同じケースに入れると、脚や触角が欠けるといったケガにつながりやすいため、基本的には1匹ずつ、個別のケースで飼育します。

置き場所については、直射日光の当たらない室内であれば、特に神経質になる必要はありません。
飼育ケースの置き場所や温度管理の考え方そのものは、飼育ケースの置き場所と温度管理を扱った記事でも詳しく紹介しています。
エサとケース、揃えるものは他の国産クワガタと共通
コクワガタ・アカアシクワガタのエサは、他のクワガタと同じく市販の昆虫ゼリーで問題ありません。
体が小さめの分、大きな個体用の飼育ケースを新調しなくても、コンパクトなサイズで飼い始められる点も気軽さにつながっています。
目安として、1匹であればSS〜Sサイズ程度のコンパクトな飼育ケースでも十分に飼育できます。
体長がオオクワガタやヒラタクワガタより小さめな分、マットの量も少なく済み、置き場所に困りにくいのもうれしいポイントです。

昆虫ゼリーは1〜2日に1個を目安に、食べ残しが出ていないか確認しながら交換します。
気温が高い時期はゼリーが乾きやすいため、様子を見ながら交換の間隔を短めにするとよいでしょう。
昆虫ゼリーの選び方や与える量の目安は、昆虫ゼリーの選び方とエサの与え方を扱った記事で詳しく紹介しています。
飼育ケース・マットの選び方については、飼育ケース・マットの選び方を扱った記事もあわせて参考にしてください。
コクワガタは飼育に慣れてくると、産卵にも挑戦しやすい品種として知られています。
メスは産卵木にかじって卵を産みつけるタイプで、この産卵のしやすさも、コクワガタが飼育の練習台として選ばれやすい理由のひとつです。
産卵セットの組み方の基本手順は、産卵セットの組み方を解説した記事で詳しく紹介しています。
オオクワガタやヒラタクワガタとの違い、選び方の参考に
大顎の迫力や体の大きさだけで比べると、コクワガタ・アカアシクワガタが見劣りする場面もあるかもしれません。

とはいえ「身近さ」と「飼育のとっつきやすさ」という点では、この2種にも十分な魅力があります。
それぞれの品種の傾向を並べると、次のように整理できます。
| 品種名 | 体長の目安 | 成虫寿命 | 身近さ・見つけやすさ | 飼いやすさの目安 |
|---|---|---|---|---|
| コクワガタ | オスで17〜54mm程度 | 2〜3年ほど | 非常に身近、公園でも見つかる | 初心者向き |
| アカアシクワガタ | オスで28〜56mm程度 | 1〜2年ほど | やや標高のある雑木林で見つかる | 初心者向き |
| オオクワガタ | オスで20〜80mm程度 | 2〜3年ほど | 流通中心、野外ではやや珍しい | 初心者向き(高温にだけ注意) |
| ヒラタクワガタ | オスで20〜70mm程度 | 1〜3年ほど | 暖かい地域の雑木林に多い | 初心者向き |
体の大きさや見た目のインパクトを重視するなら、オオクワガタやヒラタクワガタが候補になります。
それぞれの特徴は、オオクワガタの特徴と飼育のポイントを紹介した記事とヒラタクワガタ・ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタを比較した記事で詳しく紹介しています。
一方で「まずは気軽に、身近な場所で出会えるクワガタから飼育を始めてみたい」という方には、コクワガタ・アカアシクワガタがぴったりです。
金属光沢が魅力の外国産クワガタが気になる方は、ニジイロクワガタなど外国産クワガタを扱った記事もあわせてご覧ください。
迷ったときの選び方の目安です。
とにかく手軽に、身近な場所で見つけたクワガタをそのまま飼ってみたいならコクワガタ、少し珍しい個体に出会う楽しみも味わいたいならアカアシクワガタを選ぶとよいでしょう。
体の大きさや見た目の迫力を重視したい場合は、オオクワガタやヒラタクワガタも候補に入れて検討してみてください。
値段については、コクワガタ・アカアシクワガタはどちらも国産クワガタの中で比較的手頃な価格帯のものが多い傾向にあります。
品種別の詳しい値段相場は、品種別の値段相場をまとめた記事で紹介していますので、あわせて参考にしてください。
まとめ、身近な小型クワガタとの付き合い方
都市部の公園でも出会えるコクワガタと、少し標高のある雑木林で見つかるアカアシクワガタ。
それぞれの生息環境の違いを知っておくと、実際に採集や購入で品種を選ぶときの判断材料になります。
体の大きさや見た目の派手さこそオオクワガタやヒラタクワガタに譲るものの、身近さと飼育のとっつきやすさでは負けていません。
温度管理・エサやり・ケースの選び方は、他の国産クワガタと大きく変わりません。
特別な道具を新しく揃える必要がない分、はじめてのクワガタ飼育や、子どもと一緒の自由研究にも取り入れやすい品種です。
体の大きさや見た目の迫力を求めるようになったら、そのときはオオクワガタやヒラタクワガタなど、他の品種にも目を向けてみるとよいでしょう。
気になる品種がまだ絞り込めていない方は、品種別比較早見表と初心者向け品種診断チャートをまとめた記事から、自分に合った1匹を探してみてください。


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