この記事の結論
- 2〜3日の留守なら、エサ・湿度・温度の準備をしておけば留守番させられることが多い
- 4日〜1週間は季節と頭数しだい、真夏のカブトムシや多頭飼育ではエサ切れと高温が心配になる
- 留守番の成否を一番左右するのは温度、夏はエアコンを切らずに出かける選択肢も検討したい
- 1週間を超えるときや真夏で不安なときは、お世話メモを添えて家族・知人に預けるのが確実
夏休みの旅行やお盆の帰省、年末年始の帰省など、数日〜1週間ほど家を空ける予定ができると、飼っているカブトムシやクワガタをどうするか迷う方は多いはずです。
昆虫は犬や猫ほど手がかからないとはいえ、エサ切れ・乾燥・暑さのどれか1つが重なるだけで、留守中に弱ってしまうことがあります。
準備の中心になるのは、留守にする日数の見きわめと、エサ・湿度・温度の3つ、そして預ける場合のお世話メモです。
飼育の全体像を先に確認したい方は、飼育の基本をまとめた記事もあわせてご覧ください。
留守にできる日数の目安
最初に考えたいのは「何日くらいなら準備だけで留守番させられるか」です。
答えは季節・種類・頭数によって変わりますが、おおまかな目安を持っておくと判断しやすくなります。
2〜3日なら、準備をしておけば留守番できることが多い
2〜3日程度の留守であれば、エサを多めに置き、マットを適度に湿らせ、涼しい場所に置いておけば、そのまま留守番させられるケースがほとんどです。

1週間程度までの留守であれば、エサの量よりもマットの乾燥のほうが気をつけたいポイントになりやすいです。
ゼリーは多めに置けば数日分を確保できますが、マットが乾くとケースの中の湿度が下がり、虫の体から水分が奪われやすくなるためです。
4日〜1週間は、季節と頭数で判断が変わる
4日〜1週間になると、季節と飼っている種類・頭数で状況が大きく変わります。
特にカブトムシは大食いで、1日でゼリーを空にしてしまうこともあるため、真夏に複数匹を1つのケースで飼っている場合はエサ切れのリスクが高くなります。
一方でクワガタは食べるペースがゆるやかな種類が多く、同じ日数でもカブトムシほどエサ切れの心配はありません。
1週間を超えるなら、預け先を考える
1週間を超える留守や、真夏にエアコンを使えない環境での留守は、準備だけで乗り切ろうとせず、家族や知人に世話をお願いすることを考えたほうが安心です。
日数と状況ごとの目安を整理すると、次のようになります。
| 留守の日数 | 春・秋(涼しい時期) | 真夏(7〜8月ごろ) |
|---|---|---|
| 1〜3日 | 準備をしておけば留守番できることが多い | 準備+温度対策をしておけば留守番できることが多い |
| 4〜7日 | ゼリー多め・保湿をしたうえで留守番も検討できる、不安なら途中で様子を見てもらう | エアコンを使える環境なら留守番も検討できる、使えないなら預けるのが安心 |
| 8日以上 | 預けるか、途中で様子を見てもらうのが安心 | 預けるのが基本 |
迷ったときは、「留守中の部屋が何度まで上がるか」を基準に判断するのがおすすめです。
エサと水分は準備で補えますが、高温だけは準備だけでは防ぎきれないためです。
なお、冬眠中のクワガタは活動がほとんど止まっているため、冬場の数日〜1週間程度の留守であれば、普段どおりの越冬環境のままで大きな問題になることは少ないでしょう。
出発前に整えておきたいエサの準備
ゼリーの数は「頭数×日数」に予備を足す
エサの量の目安になるのが、「飼っている頭数×留守の日数」の数だけ昆虫ゼリーを入れておく考え方です。

たとえばカブトムシ2匹で5日間留守にするなら、2×5で10個に、予備として2〜3個を足しておくと安心です。
ただしケースの広さによっては、すべてを一度に入れるとゼリーだらけになって歩き回れなくなってしまいます。
その場合は、エサ皿(ゼリー台)を使って2〜3個ずつまとめて固定する、容量の大きなゼリーを選ぶ、といった工夫で数を調整するとよいでしょう。
ゼリーはフタを全部はがさず、十字の切れ目を入れておくと、乾燥しにくくなり、ケース内も汚れにくくなります。
ゼリーの種類や普段の交換の目安は、昆虫ゼリーの選び方と与え方をまとめた記事で詳しく紹介しています。
果物は留守番には向かない
スイカやバナナなどの果物は水分が多く、夏場は数日で傷んで強いにおいやコバエの原因になりがちです。
留守中は交換ができないため、エサは傷みにくい昆虫ゼリーに一本化するのが無難です。
リンゴは比較的日持ちしますが、それでも真夏の数日間で傷むことはあるため、ゼリーの補助として考えておく程度にとどめましょう。
カブトムシとクワガタで量を変える
カブトムシはゼリーをひっくり返したり、体で押しつぶしたりして無駄にしてしまうことも多いため、計算した数より少し多めに入れておくと安心です。
クワガタは食べるペースがゆるやかなので、計算どおりの数でも足りることが多いでしょう。
産卵セットに入れているメスは体力を使っているため、エサ切れさせないよう、ほかの個体より多めに置いておくのがおすすめです。
乾燥と蒸れを防ぐ、マットと湿度の準備
マットは「握って軽く固まる程度」にしておく
留守中に意外と多いのが、エサは残っているのにマットがカラカラに乾いてしまうトラブルです。
出発前にマットを霧吹きで湿らせ、手で握ったときに軽く固まる程度の湿り気にしておきましょう。
湿らせすぎて底に水がたまるほどになると、蒸れやカビ、コバエの原因になるため、霧吹きは何回かに分けて様子を見ながら行います。
出発前日にマットごと交換しておけば、留守中のニオイやダニの心配も減らせます。
フタと通気のバランスを確認する
乾燥を防ごうとしてケースを完全に密閉すると、今度は蒸れて空気がこもってしまいます。
通気口のあるフタはそのまま使い、気になる場合はコバエよけのシートをはさむ程度にとどめておくのがよいでしょう。
仰向けになったときに自力で起き上がれるよう、転倒防止材や止まり木を普段より多めに入れておくことも、留守中の事故防止につながります。
フタがしっかり閉まっているかも、出発前に必ず確認しておきたいポイントです。
留守中の脱走は見つけるのが遅れやすいため、フタのロックや重しの考え方は脱走対策をまとめた記事も参考にしてください。
留守中の温度対策がいちばん大切
夏はエアコンを切らずに出かける選択肢も
カブトムシ・クワガタの生育に適した温度は20〜25度です。
反対に、30度を超える高温の環境にいると弱ってしまいます。
締め切った部屋では、エアコンを切って出かけると日中の室温が30度を大きく超えることも珍しくありません。
真夏に数日以上家を空けるなら、ケースを置いた部屋だけでもエアコンを弱めにつけたままにするのが最も確実な対策です。
その場合も、エアコンの風が直接ケースに当たらない場所に置き、出発前に温度計で実際の温度を確認しておきましょう。

最高・最低温度を記録できるタイプの温度計を使えば、帰宅後に留守中の温度変化を振り返ることもできます。
置き場所や温度管理の基本は飼育ケースの置き場所と温度管理をまとめた記事で詳しく紹介しています。
エアコンを使えない場合の置き場所
エアコンをつけたままにできない場合は、家の中でいちばん温度が上がりにくい場所を探します。
直射日光が入らない北側の部屋や、床に近い場所、玄関などが候補になりやすい場所です。
保冷剤は数時間で溶けてしまうため、数日にわたる留守番の暑さ対策としてはあまり頼りになりません。
凍らせたペットボトルをケースのそばに置く方法も一時的な補助にはなりますが、真夏の室内では1日ももたないことが多く、数日の留守を任せられる手段にはなりません。
このように温度を下げる手段が限られる環境で、真夏に4日以上家を空けるなら、預ける方法を検討したほうが安全です。
暑さで弱ったときのサインや応急処置は夏の暑さ対策・突然死・弱ってしまったときの対処法をまとめた記事で紹介しています。
冬・春の留守で気をつけたいこと
冬の留守で気をつけたいのは、暑さよりも暖房のつけっぱなしや急な温度変化のほうです。
越冬中のクワガタは低温で安定した環境でじっとしているため、留守中だけ暖房の効いた部屋に移すと、かえって冬眠のリズムを乱してしまうことがあります。
普段の越冬場所のまま、凍結しない環境であれば手を加えずに出かけるのが基本です。
越冬中の管理の考え方はクワガタの冬眠・越冬管理をまとめた記事で詳しく紹介しています。
1週間以上なら、預けるか連れて行くかを考える
家族・知人に預けるときは「お世話メモ」を渡す
預ける場合は、カブトムシ・クワガタに慣れていない人にお願いすることも多いため、お世話の内容を紙1枚にまとめて渡しておくと安心です。
メモに書いておきたい項目は次のとおりです。
- ゼリーを交換するタイミング(残りが3分の1以下になった、液状になった、コバエがたかっているなど)
- 霧吹きの頻度と量(マットが乾いて白っぽくなっていたら、軽く湿らせる程度)
- 置き場所の条件(直射日光が当たらない、なるべく涼しい場所)
- 触らなくてよいこと(昼間に動かないのは夜行性のため、無理に掘り起こさない)
- フタは必ず閉めること、困ったときの連絡先
昼間にマットにもぐって動かない様子を見て心配されることもあるので、「昼間は寝ているのが普通」とひとこと添えておくと、預かる側も安心してくれます。
引き渡しのときは、ケースを揺らさないよう両手で持ち、車で運ぶ場合は車内の温度にも注意してください。
ペットシッターや専門店に相談する場合
ペットシッターや昆虫専門店に相談する方法もありますが、昆虫の世話を引き受けているかどうかは事業者によってさまざまです。
依頼を考える場合は、昆虫も対象になっているか、料金や訪問頻度はどうなっているかを、事前に直接問い合わせて確認しておきましょう。
帰省先に連れて行く場合は車内の温度に注意
帰省先に連れて行く選択肢もありますが、移動中、とくに車内の温度には十分な注意が必要です。
気温35度の晴天下でエアコンを止めた黒いボディの車は、車内が最高57度に達したというテスト結果(2012年8月)もあります。
真夏の車内は、エンジンを止めて短時間離れるだけでも、カブトムシ・クワガタにとって命に関わる温度になります。
休憩で車を離れるときも、ケースは必ず一緒に持って出るようにしてください。
移動中はケースを小さめの容器に移し、マットを少なめにして揺れで中の個体がつぶされないようにしておくと安心です。
直射日光の当たる窓際やトランクは避け、エアコンの効いた車内の足元など、温度が安定しやすい場所に置きましょう。
帰宅したら最初に確認したいこと
帰宅したら、荷ほどきより先にケースの様子を確認しておきましょう。
確認しておきたいポイントは次のとおりです。
- 成虫がマットの上や中で無事に過ごしているか
- ゼリーが空になっていないか、傷んで液状になっていないか
- マットが乾いていないか、逆に水がたまって蒸れていないか
- コバエやダニが急に増えていないか
- 温度計の最高温度が30度を超えていなかったか
ゼリーとマットの状態を整えたら、その日の夜に動き出すかどうかを見守ります。
夜行性のため昼間は動かないことが多いので、すぐに動かないからといって慌てて掘り起こす必要はありません。
触ったときに脚を縮めて動かなくなるのは「死んだふり(擬死)」と呼ばれる反応のことも多く、本当に弱っている状態との見分け方は擬死を扱った記事で紹介しています。
まとめ、留守番の準備は「温度」を軸に考える
2〜3日程度の留守であれば、ゼリーを多めに置き、マットを適度に湿らせ、涼しい場所に置いておくことで、留守番させられることがほとんどです。
4日〜1週間になると、季節と頭数によって判断が分かれ、特に真夏のカブトムシや多頭飼育ではエサ切れと高温の両方に注意が必要です。
エサと水分は準備で補えますが、高温だけは準備だけでは防ぎきれません。
留守中の部屋の温度を基準に、「準備だけで留守番させる」「エアコンをつけておく」「預ける」のどれが合っているかを考えてみてください。
今日のアクション
- 次の留守の日数と季節を確認し、早見表でどの対応が合うか見当をつける
- 留守中にケースを置く部屋の、日中の温度を温度計で測っておく
- 預ける可能性があるなら、お世話メモの項目を書き出しておく
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